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真ん中に

さて、そろそろこの流れ出る生を自ら満喫している風景を額縁にはめ込むことになった。
(中略)
そう、これが思い出となる、というのはあらかじめわかるものだ。
たった今しがた、強い夏の日射しの下で一面まぶしい光におおわれたボクらの世界も、もう、半分追憶の夏雲におおわれて、輝きを失った半透明の色彩の中でひっそりと静まり返っていた。
それはもうすっかり思い出の世界に入っていたのかもしれない。
誰だって、描こうとしない、描かれることのない、スケッチブックの一頁があるはずだ。
ボクはいつのまに描くのを止めていた。
でも気を取り直したシメ君は、夢中になって頭上の沸き立つ夏雲を描いていた。

(町田純『ヤンとシメの物語』)

いくら着替えてもすぐに汗びっしょりになる夏がやってきています。
真夏の草刈作業は靴下まで汗でびちょびちょです。
昨年は朝5時から朝9時までの早朝草刈もやりました。熱中症は避けたいものです。

わたしたちだって、今、この話をしている最中でさえ、もうすでに過去の幻影みたいなものなのよ
(中略)
あなたは未来の思い出の中に生きているわ。これから先も、きっと

(町田純『草原の祝祭-ヤンのヨールカ―』)

いくら時間があっても足らない毎日です。
でも、誰にも訪れる死への準備もしていきたいと思います。その一つは私にとって読書であり、お金(生活)を生み出さないものです。
研究していた時は朝から晩まで一つの事に専念していて時間の足らなさ、自身の能力や努力の限界を感じていましたが、現在は一つの事に専念できる連続した時間を得られる難しさを感じています。
水への汚染について、この1年ちょこちょこ論文を読んでいます。
拡散系だから昔とった杵柄でアインシュタイン方程式をさらさらやりたかったんですが、ごまかしながら勉強した気になっています。

未来では足りない
古いもの 新しいものでは足りない
永遠が 部屋の真ん中で
聖なる樅の木にならなくてはならない……        

(町田純『草原の祝祭-ヤンのヨールカ―』)

 

今日一日は、こんな気持ちの良い日は、せめて目を開けて見渡してくれないか。そして、じっと見つめてくれないか。この草原を、この森を。

(町田純『ヤンとシメの物語』)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友