-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
2023年11月 日 月 火 水 木 金 土 « 9月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

樹脂の識別方法として、分析機器測定があります。
有機化合物の成分同定もしくは分子構造の同定といった分野があります。 例えば、新薬を作ったときに、目的物ができているか見ないといけません。逆に、異物混入していないかも必要です。
直接見ることはできないので、分子構造や官能基を間接的にみることになります。
その方法としては、質量分析法(Mass Spectrometry ;MS) 、核磁気共鳴分光法 (Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy ;NMR)、赤外分光法(Infrared spectroscopy ;IR)などが有機化合物のスペクトル分析の代表格でしょうか。
樹脂の識別に限れば、ある程度、赤外分光法(IR)でできます。ひとくちにIRといっても、分散型とフーリエ変換型でスペクトルを得る方法が大別されますし、測定法も5種類ほどあり測定法に合わせて試料の状態や必要なものが違ってきます。
本稿では、どうして赤外線で分かるのかといった原理をざっくり説明できたらと思っています。
照射された赤外線のうち吸収された部分、当該赤外線はどの領域の波数(Ex.1cm内の端波の数)でどれくらい吸収されたかが情報になります。
赤外線といっても780~10万nmの幅があるので、いろんな長さの波があります。そのいろんな長さのうち、どの長さ(赤外線波数領域)と反応するかをみるわけです。
分子はいくつかの原子が結合しているわけですが、分子内の原子の違いや結合の違いによって官能基部分毎の結合力が変わり、その結合力と赤外線波数領域が対応しています。
赤外線は人体に当たると暖かく感じます。つまり、エネルギーを与えられています。分子結合部分が振動し、エネルギー準位が遷移します。
この遷移という動きが心電図のピコンと反応するピーク(R波)みたいに現れ、心電図に相当するのが赤外吸収(IR)スペクトルになります。
だから、心電図から読み解くように、樹脂の同定もIRスペクトルから読み解く(間接的に分子構造をみる)ことになります。
それでは、より深くみるために、簡易モデルを設定しましょう。
原子Aと原子Bの二原子間で考えます。この原子間を結びつける力(結合力)は単振動のバネで近似することができます。一般にこれを調和振動子と呼びます。
結合力をバネ係数k、換算質量 として単振動を考えると、ポテンシャルエネルギーと運動方程式より、振動数
、従いまして、波長
より
波数が得られます。
よって、波数と結合力は正の相関、波数と換算質量は負の相関があることがわかります。
次に、量子化して考えましょう。つまり、波ではなく粒として考えます。
運動量pとして、2原子間が基準よりxだけ伸びて単振動運動したとき、調和振動子のエネルギーの式は次の通り。
シュレーディンガー方程式は
これを漸近解をguesssしてエルミート多項式を乗じて、元式を満たす解を作り、漸化式を(以下、略)
シュレーディンガー方程式の解として、粒1つ1つの離散(整数)関数の解が得られます。飛び飛びになるエネルギー遷移が説明できます。
遷移エネルギーは
となるので、エネルギー準位遷移によって、特定の波数の赤外線が吸収されることが分かります。
※調和振動子を前提にしましたが、厳密には振動は非調和でボテンシャルエネルギーはモースポテンシャル関数で表すようです。単振動の線形モデルがそのまま援用できるわけないですからね。ただエンジニアリングモデルとして線形性は妥当ですよね、非常に簡単に相関を追っていけるので。
再掲しますが
より、赤外線を照射すると当該官能基(原子間)結合力に応じた波数の赤外線部分が吸収されることでエネルギー準位遷移がおき、IRスペクトルの当該波数上でピークが見られることが分かります。
逆もしかりで、いろんなノイズを取り除ければ、分析器からIRスペクトルを出力し、そのピークが起きている波数領域をみれば、何の官能基か推測できることになります。
ピークが複数個起きているので、それぞれの官能基を推測すれば、分子が推測でき、そこから樹脂が同定できます。
実際に分析する際は、このノイズを取り除いて当該樹脂由来部分だけのIRスペクトルを得ることが重要になります。もしくは充填剤がどんなピークをもたらすか、樹脂同定と異物同定双方を頭に入れる必要があるのではないでしょうか。
そして、黒色問題ですね。赤外線を吸収するので、いかに敏感に(反応よく)測定できるかが重要になります。ハンディタイプの簡易識別機がありますが、ネックになるのがここでしょうね。
最後に、、、ここまで御託を述べましたが、弊社には分析機器がありませんし、原理もすべて独学なので、説明に飛躍があるのは愛嬌ということでお許しください。
ATR法のできるフーリエ変換型の分析計測機器は欲しい(使いたい)んですけどね、、
最後までお読みいただきありがとうございました。
(有)アイ・エス・オー 長友
9月になったとはいえ、まだまだ湿度の高い暑い日が続きますね。
最近、廃棄物許可更新のための講習会(試験)がありました。
講習会で代表的廃棄物の中間処理方法が紹介されるのですが、廃油処理に分離膜はでてきません。埋立地の浸出液処理の方で簡単に紹介されます(膜の種類と透過防止対象)。
埋立地での分離膜モジュールは分かりませんが、弊社では切削加工部品の洗浄排水等のエマルション性含油廃水を対象にしているので、浸出液のような薄い液はもちろん濃い液体も分離しております。濃いと膜のファウリングが起きやすく、処理工程が円滑に進まないのですが、色々な工夫をして膜の能力が長期的に発揮できるようにしております。
後付けではありますが、今回は、「膜とは何か?」をテーマに書きたいと思います。
私は(分離)膜の事を考えない日はないのですが、そもそも膜とは何でしょうか?
我々生物には細胞膜があります。私が大学1年生のころに図書館で論文誌を初めて手に取って目を奪われた(記憶に残っている)のが、生体膜とイオンチャンネルに関するものでした。論文内容は忘れたのですが、生物の細胞というのは膜で覆われていて、この膜には選択的にミネラル等のイオンを通すゲートがあります。このゲートのメカニズムの研究だったと思います。
現象として在るものの微小世界の機構で制御されている、世界の成り立ちに興味を持ち、そうした研究をしたいと思うようになった出会いでした。
そう、この眼前に広がる世界もスケールを小さくしていけば、素粒子で成り立っています。
これがどう成り立っているか説明できる、世界の構成最小単位の仕組みが説明できれば世界全体が説明できる、統一理論の夢があるわけです。
議論の余地は大いにあれど、超弦理論がその筆頭にあります。粒子が点ではなく線であることで有限性が生まれるので理論破綻を免れ(半径0でなくなるので無限大量でなくなり)、M理論をもってくることで重力子を超弦理論に取り込めるようになりました。
この統一理論ないし超重力理論のM理論に登場するDブレインは「膜」なんです。水面のように広がった、場の理論のソリトンなんです。
ひも状の開弦は両端を固定端として膜に貼りつき、わっか状の閉弦は膜から浮いた状態(もしくは膜同士をつなぐ円筒)として説明されます。
語弊はあれ、この世の現象は膜状のものによって築き上げられている、と考えれば、胸は高鳴ります。
取り込めたからといって諸々の整合性や実証性が不完全であるようですが、、、(最近は8月10日に2018年から開始していたミュー粒子の実験統計値が統一理論の手前の標準理論から導かれる予測値に合わなかったようです。最終的な結論が出るのは2025年のようですが、理論がおかしいのか、実験がおかしいのか、難しい問題です。
話は胸の高鳴った細胞膜に戻ります。
そもそも生物の定義とは何でしょうか?
ある程度生物学者たちに受け入れられていると言われるのが次の3条件です。
(1)外界と膜で仕切られている、(2)代謝を行う、(3)自己複製する
そう生物の定義にも膜が出てきます。
M理論の膜は数学的要請に応えるもので、boundaryな性質をもっていると考えれば、膜というものに向き合うことが我々の存在にも向き合うことになると、、、
数学は数学語で語るべきで、哲学は哲学語で語るべきで、日常語を持ち込むと数学の世界のことを説明しきらない不誠実さが生まれるので、、、知らずとソーカル事件が生まれるわけです。かといって、M理論なんて私が素粒子物理学を専攻したとして何年かけて数学的記述が自身でできるようになるのかというレベルでしょうが。。。
研究にはお金がいるので、予算をとるためには、日常語で語るべきで、何にせよ難しいですね。
我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこへ行くのか
最後までお読みいただきありがとうございました。
(有)アイ・エス・オー 長友
いつもお世話になっております。
夏季休業のお知らせになります。
8月12日土曜日~8月20日日曜日
となります。
定期業務のお客様に対しては、ご迷惑をおかけしないよう、一部出勤することはありますが、基本的にはお休みさせていただきます。
ご相談等ございましたら、緊急時はお電話(携帯転送あり)、休業日明けはお問合せからメールでご連絡いただけますと幸いです。
暑い日が続きますが、みなさまご自愛ください。
先日、お客様宅で七夕が飾られておりました。片付け忘れではありません。お客様もよくご理解されておりました。太陰太陽暦、いわゆる旧暦に則った伝統的七夕に合わせたものです。
今年は8月22日になります。
国立天文台の観望会でも伝統的七夕の方が意識されておりました。梅雨は星空が見えないことが多いのもありますが、、、(たぶん)
アルタイルとベガの七夕説明、そのままデネブ(夏の大三角形)からの、、、アルビレオ銀河鉄道の夜(宮沢賢治)にいけます。
基本的に毎年8月の50センチ公開望遠鏡はアルビレオです。
七夕の願い事には、世界平和や健康といった当たり前の日常への想いに溢れていました。
就労継続支援A型事業所の方を弊社の作業場に招いて、樹脂原料リサイクルのために分別作業を行ってもらうようになって、今年で5年目になります。
基本的には1人スタッフさんに6人利用者さんに来てもらっています。
弊社で自信をつけてもらって、一般企業就職された方がいるのは、今後も続けていくモチベーションになっております。
前述のとおり、基本的には、数種類の混ざったプラスチック材を分別していただいております。その他に草抜き等もあります。
プラスチック部品を製造している工場での端材を中心としたものであり、使用済み品ではなく、出荷前のものになります。分別目的が新たなプラスチック製品に生まれ変わらせることです。従って、一般的なゴミの分別とはニュアンスが違います。
すべてを分別することが理想ではありますが、貴重な労働力(人的資源)ですから、作業状況を見ながら分別の優先順位をつけることもあります。
基本的にはマイペースで各々が作業する内容(スタートからゴールまで一貫した作業)だと相性が良い方が多いです。ゴールまでの進捗状況に合わせて状況判断が必要になる場合、それに対応できる方は比較的一般企業に移られるのが、この4年見て取れることです。
分別対象物の準備、一部作業補助、作業後の検品作業までを考えると、リサイクル率(減容化率)や分別樹脂原料の価値が委託料を上回るか怪しいところもあります。
案外、検品作業が大変です。私自身で分別するときは別形状だけれど同種の材質のものを意識して、効率よく樹脂の種類を特定していきますが、全く知識のない方が分別すると、同種の材質のものをそれぞれ全然違う場所に散在していくので、非常に特定の難易度が高くなります。だから、分別中に首を突っ込む必要があるのですが、、、
出勤日についても、弊社は長期休暇の取れるときは1週間休暇をとりますが、就労支援者側には出勤日数が決まっており、長期休暇中の就労支援者出勤日は私が事務所を開けて仕事を計画・用意・補助・片付けしていくことになるので、、、
とにかく、存在意義を感じられているうちは、続けられる限りは続けたいと思っております。
暑い日が続きますね。日の入りは段々早くなってきているのに、暑さは衰えを見せてくれません。だからというわけではないですが、弊社も夏休みを取らせていただきます。
弊社の夏季休業期間は以下の通りです。
8/13(土)~8/22(日)になります。一部出勤日(時間)があるのですが、基本的には緊急性のないものは休業明けに対応となります。
ご不便おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
私の電話対応は可能ですが、諸作業中であることが多く、お問合せからご連絡いただけますと幸いです。幼児の泣き声がバックサウンドになったら申し訳ございません。
お問合せからご連絡ください。
また、求人応募を考えられている方も、遠慮なくお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。
(有)アイ・エス・オー 長友
年末年始休業の予定連絡です。
既に昨日12月29日から休業に入っており、1月5日水曜日まで休ませていただきます。
年々忙しくなっており、お取引様に感謝しております。
しかし、諸原価が上がっている中、お取引様の予算の都合上、弊社の企業努力のみでやり繰りしている部分もあります。
また、SDGsとりわけカーボンニュートラルに向けた対応についても、資料作成等を無料サービスで行っているケースもあり、お取引様にもご協力いただかないと従来のサービスが続けられない心配も出てきております。
弊社の在り方を考えていかなければなりませんね。
2022年からは油水分離の新設備が稼働予定です。
こちらについては本ブログで紹介していく予定です。分子運動論について、われわれの細胞についてすら目を向ける機会になる設備です。というと、大袈裟ですか。。。
本当に設備の可能性については大きなものがあると思っておりますが、、、
また、少しずつ弊社の取り組みについてブログで紹介していきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
2021年無事に終わりそうなことに、みなさまに感謝しております。
そして、私のキャパシティーの限界を感じており、お取引様にも心配をかけることもあり、2022年は対策を取っていきたいと思っております。
(有)アイ・エス・オー 長友