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カテゴリー別アーカイブ: 独り言

自然に触れて想う

この問題をイデオロギーで拾うというのは都市
(中略)
毎日毎日手入れをしていくしか仕方がありません。自然のものに対してはそうするしかないということです。
そして、それに対して答えを要求するのは無理です。ただ、都会の人がなぜそういう答えを要求するかというと、(中略)心もとないからです。自分のよるべがないからです。「どういうふうになるのか先読みしてくれ」と、必ずこういうふうになります。意識というのはそういうものです。

(中略)

意識というのは脳がやっていることです。(中略)その脳は体の一部

(中略)
社会の透明化とまったく同じで、透明化された部分が意識化された部分です。今言ったように、人間というのは無意識のほうが大きい。部分が全体を説明するということは不可能です。
(中略)
意識中心主義というのは実は都市の思想である、なぜなら都市というのは意識の産物だからだと言いました。

 

(あとがき)

手入れが日本の思想だったと私は思うからである。丸山真男氏の『日本の思想』には、「日本には思想はない」と書いてあった。思想が意識上だけのものなら、「思想はない」かもしれない。
(中略)
「ああすれば、こうなる」という思想に変わったのが、日本の都市化である。そのなかで環境問題が生じ、少子化、教育問題が生じている。子どもも環境も、「ああすれば、こうなる」で済むものではない。それがわかっているから「手入れ」だった。この思想はかならず復活する。私はそう思っている。それが日常というものだからである。その意味で「思想がなかった」わが国は、幸福なのかもしれないのである。

二〇〇二年一〇月

養老孟司

『特別講義 手入れという思想(文庫版)』

 

『星の王子さま』を横に置いて読みたいですね。目に見えないものがあることから意識を外したままで居続けてはならないと思っています。

だいたい思っていることは、頭のいいひとが言語化してくれているような気がします。権威主義というわけではないのですが、私が本を読む理由の一つが、孤独から少し解放してくれ、少し心を支えてくれるからからもしれません。

四月が近づくと、法人としては色んなことを考えなくてはなりません。
悩むのではなく考えること、それが法人に必要なことだと思います。その意味では徹底した意識の傘下であり都市化です。

 

それでもやはり悩みます。
自問自答します。
動きます(手入れします)。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。 (有)アイ・エス・オー長友

 

 

ほんとうにリサイクルできているか

結局、排出者側にとっては「高くで売れるに越したことはない」のが強いインセンティブになるというのは、実感しております。

買取者側にとっては「高くで買うためにはどうするか」が問題であり、色んなリスクを背負う必要があります。その点では、弊社はリスクを避けております。その代わり、市況が悪くなり始めたときには早めに情報提供をするようにしております。いきなり明日から回収しないなんてことはやったことありません。逆に、明日から来ないでくれと言われたことはあります(高くで買うところに出す)。
最近、ちらほら不払い問題や急な引取停止問題をお聞きします。

海外への輸出が厳しくなっており、それが反映されているといっていいでしょう。

 

 

個人的には今後大量排出者は自社で循環させるようになると思います。物性等を一番理解しているのは製造者側であり、品質の確保も達成できるでしょう。
少量排出品(者)はどうしようもなくなるのではないかと思います。コストに見合わない上、品質も確保できない。グレードの混ざり合った樹脂で何が作れるかは、品質を大事にしている製造者側(排出者側)が一番わかっている(分からない)のではないでしょうか?

オレフィン系は比較的扱いやすいでしょうから、オレフィン系のリサイクルについては製造の段階から各化学メーカーが奮闘している情報が定期的に飛んできます。炭化水素の鎖に色々と付いたものは、更に他のものもくっ付きやすいこともあったり、構造がほぐれにくかったりしますから、分子レベルからのリサイクルは難しいのではないでしょうか?

正直、弊社も少しでもリサイクルフローに乗せようと、頭や手に物性を覚え、見えない分子構造を解読しようとして参りましたが、在り方を変えていく必要があるとは思っております。そうでなければ、弊社自体も消えていくことになるでしょう。正直既に樹脂の有価買取だけを考えると、従業員ひとりフルタイムで雇えないくらいの利益しか出せておりません。実際、多くの樹脂買取専門業者のフルタイム従事者は一人しかいないように思います。

 

私たちの周囲の物質は刻々と変化しつつあった、あるいは、いろんな分子が混乱状態から混乱状態へ、そしてまた別の混乱状態へと移行しつつあったと言ってもよい、言葉をかえれば、実際には相変わらず同じ状態にとどまっていたということである。唯一の真の変化とは分子がなんらかの秩序にきちんと配列されることなのであり、そしてそれこそヴグと私がいろんな物質の混合物の中をあてどなく歩きながら求めていたものなのである。

(略)

私たちはどうして理解しあえよう? 私にとっては同質のものが不可分に増大していき、平静に達することのみが価値あるのであり、彼女にとっては分離と混合、そのどちらか一方、あるいはそのどちらでもあるものが価値あるのであった。

(略)

いまだに世界に形状を与えている、しかしそれはかつてそうなり得たかも知れず、そしてもう二度とそうはなり得ぬ世界の姿の幻影でしかないのだ。

「結晶」『柔かい月』イタロ・カルヴィーノ/脇功訳

 

機械学習の基本は、入力値から返ってきた出力値を振り分ける学習値があって、それと正解値と学習値のギャップを最小に埋めることだと理解しています。統計の基本と同じです。統計値が誤差を最小に埋めることです。
ここだけならAGIは出てこないのでしょうが、、、(あまり知ったかぶりするのはやめておきます)
良い意味で狂信的に研究できる人は尊敬できます。私はどんどん足取りが重くなって不安に押しつぶされてしまうので、まっすぐ真摯に向き合えるのが信じられません。

最近の愛読書は岡野原大輔氏の著作物と甘利俊一氏の著作物だと言いたいですが、、、美観(数理的面白さや哲学)は両者違うような気がしつつ理論説明の構成に面白さを感じております。。。

 

AIは新しい発見をしたが、でも何を理解したのだろうか.

AIは人間の認識能力、理解能力を超え、人間不要で科学技術を推進する世界を築くのだろうか.(略)技術的特異点などあり得ない.人間は好奇心、探求心、向上心を持つ.人と協力し、知識を共有する喜びがある.これは心の働きで、永年の進化の過程で結果として生じたものである.この心が我々を支配し、意識を生み、人間社会と文明を築いた.

甘利俊一『深層学習と統計神経力学』

 

本当に甘利先生はかっこいいですね。本著は個人的には私の知りたい知識の積み上げ方で書いていただいている(対話しているかの)ようで、全然読み切ってない(読み切るか分からない)けれど奮えながら読んでおります。
こうした著作物を読む暇があるならば、生成AIの活用術でも考えろと思われそうですが、、、

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

物語が存在しない時代

何の意味もない独り言です。

物語が存在しない時代、つまりそれは日本近代文学の終焉ということだが、中上健次以降、そのことが露わになったのだ。

(中略)

言うべきことや語るべきことがなくただ手法だけがある時代

(中略)

言うべきことや語るべきことを持っているのは基本的に政治家だとわたしは思う。作家やその他の表現者は言うべきことや語るべきことがあって作品を作るわけではない。

(中略)
中上健次はキューバを知ることなく死んだ。

キューバの音楽とダンスは、(中略) わたし自身の中でベルリンの壁やソ連の崩壊に重なっていた。

(村上龍「寓話としての短編」1997.06)

今や政治も手法が前面に出てきたり、没入の仕方が分からない物語の政治が出てきたりしているような気がします。

ただ、、、ただ、だからと言って、活用できる手法が目の前にあるのに、それの見方が分からない(分かろうとしない)政治も、この混迷を極める現代においては問題ではないかとも思います。

実際政治に必要なのは,このような巨視的状態である.だれがどうということはまずまず問題ではない.この巨視的な社会状態がどう変化するかということが,関心事なのである.
 これは統計力学においてわれわれの当面する問題と本質的に同じ意味をもっている.多数の粒子から成る一つの物体をみているとき,その分子一つ一つの運動はわれわれの眼にははいらない.(中略)統計力学はわれわれに必要な巨視的な知識を,微視的な立場から簡明に与えてくれるのである.
 その基礎には,常に何か確率的なものが横たわっている.社会現象の場合にも,上にいったようなある巨視的な見方をするときには,だれだれがどうしたという微視的な立場を離れて,全体をある統計的な立場からみるということが基礎になっているわけである.

(久保亮五『統計力学』1952)

久保先生の隻眼には感服いたします。

70年以上前に書かれていたとはいえ、知らなかった文章ですが、私なりに研究していた時代、いや10代のあの時に知っていたら良くも悪くも勇気づけられていたと思う文章です。

留学時代「日本より五十年進んでいる」と世界一のドイツ数学に圧倒された博士に、独創への自信はまだなかったのではないか。ところが四十歳を目前に勃発した第一次大戦により、ドイツの本や論文が入らなくなった。「学ぶ」から「創る」へと切り換えざるを得なくなった博士は、五年間の激しい集中により大戦後間も無く、ドイツ数学を呑み込んでしまうような類体論を完成した。二十世紀数学の巨匠ヒルベルトが予想した理論を遥かに超えるものだった。生まれたものが余りに画期的だったので、本当に正しいのかどうか自信がなく、高木は「どこか間違えているはず」と証明完成のあと、一ヶ月も間違いを探し続けたという。ヨーロッパ最大の悲劇であった第一次大戦は、高木貞治の、そして日本数学の幸運であった。

(藤原正彦「天才には幸運がつきもの」2004.07.19)

情報過多の時代が続いている現在だからこそ考えさせられるとともに、ここまで人工知能が学習能力をもった時代だからこそ、とんでもない研究が生まれるような気もします。

人生は短いので、早くAGIが登場し、物的世界を構築できる統一理論を見せて欲しいとも。
そして、その後の世界だからこそ見えない人間の人間らしさがあるといった幻想も抱いています。そこに物語が再生するんじゃないかと。
まぁ、SFで何度も描かれた世界ではあるのだろうけど。

暖かや蕊に蠟塗る造り花

 

暖かや蕊に蠟塗る造り花   (芥川龍之介)

 

春の季語「暖か」を使い、そこに生命を感じさせる蕊(しべ)が来たと思ったら、熱で溶ける蠟(ろう)が来て、造花という人工の花。
何とも芥川っぽい作品です。
1900年前後ですから紙や布に塗っているのかは分かりませんが、羅生門などを思うと、暗闇で蝋燭から筆で塗っているような、春とは違う暗さを感じてしまいます。

 

花の木に あらざらめども 咲きにけり
ふりにしこの身 なる時もがな
      (古今和歌集 445 文屋康秀)

 

こちらは木(メドハギ)を削って作った削り花(造花)ですが、こちらも「私も役に立つ(実がなる)時がくればいいのに」と下の句が来ているように、自身の不遇を歌うと、、、なかなか上手い歌です。

 

冷たい風が入り混じるものの、日中は夏日がやってくるなど、暖かくなりました。外で作業していると暑すぎなくらいです。
ここから夏がやってくると思うと、ぞっとします。

防草シートが色んな場所で施工されているのを年々見かけるようになってきました。
草抜き草刈をして、家庭菜園や花壇を作って、、、といった作業も、この数年の酷暑で随分苦しくなったのではないでしょうか?

道路沿いにきれいに花を植えてあるところがあったのですが、一昨年くらいに防草シートが張られたと思ったら、昨年にはコンクリートが流し込まれていました。

花(植物)を愛でるというのは自然へ愛を向けていることになりますが、そのために猛暑日に草抜きするなど維持管理をするのは大変で、自然から苦難を向けられているような気にもなります。物価の上昇も花の苗だって御多分に漏れず2倍どころでない苗もあります。

桂離宮の枯山水とは別の動機で同様な成果物が出てきそうですね。
そこで、最初の句に戻ってくるわけです。

AR(拡張現実)など何を使うかはアイディア次第ですが、古きを想い、四季を再現する、、、
そもそも異常気象によって四季自体失われる未来がやってきて、現在の異常気象が以上でなくなるかもしれませんし、、、

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

DeepSeekと強化学習、蒸留

樹脂分別のひとつの方法として、片っ端から外観で覚える方法があります。不特定から樹脂を集めるケースではなく、イレギュラーはあるものの工場関係のお客様には有効です。

但し、取引工場様ひとつだけでも数百個で足りないくらい外観の種類はあると言っても過言はないし、ランナー品は非常に似ています。

そうした場合に画像認証を持ち込むのは有益だと思います。但し、質感はカメラに捉えきれないし、破損品等の外観問題やイレギュラー品、試作品、新製作品もありますし、機密情報漏洩のリスクも出てきます。
ただ、画像認証の開発のラフスケッチはしたことありまして、、、、

改めて行列(matrix)の道具としての実用性(表現性)に関心するわけですが、、、

 

DeepSeek ショックです。

 

arXivにDeepSeek-AIの論文が出ていますね。分かりやすく解説してくれているウェブページもあります。

データからAIが認識してアウトプットするための学習は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習があります(ほか、半教師あり学習)。
この学習をするために、プログラミング言語Pythonに興味を持つとこう紹介されるわけです。但し、前者2つは比較的例が豊富でテキストも出ていますが、強化学習となるとより踏み込んでいく必要があります。
強化学習は用途が高度というべきか、得られる結果が直観的で分かりやすいのが教師あり学習でしょう。

私もそうですが、画像認証させるために、データを用意するのが手っ取り早く、教師あり学習に流れていきます(画像認証系を識別AIともいうようです)。

そして、現在の主流の生成AIもそうです。

この学習のアルゴリズムもしくは中間層構造システムの行列計算処理を大量のGPUが担っているわけですが、このGPUが大量すぎてデータセンターは電力を無尽蔵に消費します。

壮大な量の詰め込み学習をするので、物量任せですらありますが、その学習をした分の成果も大きいわけです。

 

一方、今回のDeepSeekは膨大なデータではなく、各要素に評価付けできる(報酬の獲得)モデルをつくり、アルゴリズムによって報酬を最大化します。あとは自身でシミュレーション検証を繰り返して、閉じた状態で学習します(強化学習)。
このアルゴリズムがGroup Relative Policy Optimization (GRPO)で(略。というか分かりません)
要は、強化学習を巧みに使っています。

通常は、膨大な教師あり学習させて、仕上げに強化学習でブラッシュアップするようですが、こちらは最初に強化学習をもってきています(アルゴリズムは全然違うはずです)。
シンプルに言えば、この「膨大な教師あり学習」を必要としないことで、大量のGPUを必要としないと言えます。

強化学習の後、高品質データのみを学習させて微調整してスタートする、アウトプット面などの修正を加えていっています。それによって一部従来の生成AIと同等のパフォーマンスを達成し、さらにそれを蒸留した小型モデルで教師あり学習をすると、小型だから計算処理量が少なくても(低容量でも)、きちんとパフォーマンスを達成したようです。

※モデルを小型化(圧縮)する方法として、Pruning(枝刈り)、Quantize(量子化)、Distillation(蒸留)が代表的であり、今回のモデルには蒸留が使われたことになります。一部、量子化モデルもあるような情報が出ていますが、私の目を通した論文にはDistillationのみでQuantizeは出てないので、取り合えずこのままにしておきます。

 

と、素人ながらに、こういうことだよなと感動しています。
何がこういうことなのかは企業秘密ですが、とにかく方向性を定めて、精進いたします。

 

雨の詩

夕食どきだった。彼はどこで食事をしたらいいかわからなかったので、通りの街灯の下にたたずんでいた。突然、街灯が点り、石畳の上に複雑な光を扇のように広げた。なおも彼が立っていると、稲妻が光った。通りにいる人間がみんな顔を空に向けた。そうしなかったのは、彼と彼女だけだった。川を渡る一陣の風が、腕を組んで、回転木馬のように飛びはねて遊んでいる子どもたちの笑い声をこちらに投げかける。川風に乗って、窓から身を乗り出して子どもたちに叫んでいる母親の声が聞こえてくる。雨よ、レイチェル、雨よ―雨が降ってくるよ! 花売りが、片目で空を見上げながら、雨やどりの場所を探して走っていく。グラジオスや蔦のある花を積んだ荷車が今にも壊れそうな音をたてる。ゼラニウムの鉢がひとつ荷車から落ちる。小さな女の子たちが落ちた花を拾い集めて、耳のうしろにさす。駆け出していく人間たちの足音と雨の音がまじり合い、歩道で木琴のような音をたてる。―さらに、ドアが急いで閉められる音、窓がおろされる音が聞こえてくるが、そのうち、あたりは静かになり、雨の音しか聞こえなくなる。やがて、彼女がゆっくりとした足どりで、街灯の下に近づいてきて彼の横に立つ。空は、雷で割れた鏡のように見える。雨がふたりのあいだに、粉々に砕けたガラスのカーテンのように落ちて来たからだ。

「無頭の鷹」カポーティ(川本三郎訳)

 

ポツンと空いた穴

天には星はあんまり見えんけど
そのぶん東京は地上に星が降るんだねえ・・・

「天の星は死人のためのもの」
遠くにありて美しい

「地上の星は生身の人間が汗水たらして作るもの」
綺麗なだけではないかもしれんけど
血の通うパワーと温度がある

             芦原妃名子『砂時計』

 

2020年4月1日に本ブログで引用しました。
記事のタイトルは「失われゆく宇宙」。

個人的な話にはなりますが、『砂時計』が好きで、仁摩サンドミュージアムにも足を運びました。近くの砂浜に行って、鳴り砂で遊びました。後ろ向きに歩く方がキュッキュ鳴りました。
もう15年くらい経つ昔の話です。

今日は樹脂分別したり、打合せに行ったり、行政への申請書類準備があったり、慌ただしかったのですが、剪定の時間を2時間弱作りました。
剪定は現在の形を整えるものでもあり、春以降を想いながら未来の準備をするものです。
今日は必要な時間でした。
2時間弱でも足の裏のアーチへの負担はあり、意識しないと足を引き摺ってしまいました。踵骨を真っ二つに割って丁度4ヵ月です。

最近の読書は専ら、非平衡統計力学に関するもので、そこから現象論的にアプローチしての分離膜近傍の解析(微積)を考えたり、どうやら昔やった有限要素解析も持ち込めるのかと考えたり、、、たまに急き立てられるかのように行列模型で時空のことを考えたくなったり、、、
芦原作品とは離れていたのですが、急に飛び込んできた訃報に、戸惑いながら1日過ごしています。

何の因果か、東京時代の友人が来週宮崎に仕事で寄るのですが、その友人というのが仁摩サンドミュージアムに一緒に行って思い出を共有した者で、、、

この哀しみを、失った宇宙の重みを共感してくれる友人が、来週やってくるのは、改めて実感しないといけない辛さもやってくるようで、、、

不意打ち過ぎて、なにものも埋められない穴が開いてしまったことが、ただただ忽然たる事実として在る、この触ることができない「在る」の処理に困ってしまいました。

 

 

 

……僕も
何かを残してみたいなぁ…
静かに
人の心に残すものを
あんなにすごくなくていいから

手に入れられなくていい
一瞬
ほんの少し触れるだけでいいから

決してつかめやしないあの月を
どうしてもつかんでみたくなるんだよ

         芦原妃名子『月と湖』

 

『月と湖』作中人物が中原中也「湖上」を口にした後の台詞。回想中の台詞。

「植える」という意味と「捨てる」という意味があった~piantare~

大聖堂の裏に一本の木があった
枝先までひたすら花をつけていた
風が花を啜っていく
ただひたすらのときのなか 生まれてくるものピアンターレには
「植える」という意味と「捨てる」という意味があった
「どちらもそこでひとり生きていくようにということだから」

イタリア人の先生は説明した
はじめに 植えるという形で捨てられていた と
そのときおもったが
ただひたすらのときのなか
捨てられたのかもしれない
植えられたのかもしれない

この木を過ぎて
ナッタ通りを下って行こう
いくつかの通りを行ったら
戻っているだろう
人の世に

          (伊藤悠子「この木を過ぎて」『道を小道を』より)

秋はいずこに

秋の田の かりほの庵の 苫を荒み わがころも手は 露に濡れつつ 

(天智天皇)

 

百人一首の第一首がこの和歌とは感慨深いものです。

宮崎はまだ秋のようで慌ただしく年末に向かっています。

朝、分離膜による油水分離設備の始動をし、バックヤードの樹脂を触りながら、混入チェックやその日の作業内容(特にA型就労者)を最終確認します。
そうすると露で作業服のいろんなところが濡れます。

従業員も朝は露で作業着を湿らしています。

冬の賞与ですね。この和歌を詠みながら渡しましょうか?

元は万葉集の作者不詳の歌。それが天智天皇の歌になっていることで、意味合いが深くもあり、もしくは政治的にも感じられます。

 

樹脂識別機器の原理

樹脂の識別方法として、分析機器測定があります。

有機化合物の成分同定もしくは分子構造の同定といった分野があります。 例えば、新薬を作ったときに、目的物ができているか見ないといけません。逆に、異物混入していないかも必要です。

直接見ることはできないので、分子構造や官能基を間接的にみることになります。

その方法としては、質量分析法(Mass Spectrometry ;MS) 、核磁気共鳴分光法 (Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy ;NMR)、赤外分光法(Infrared spectroscopy ;IR)などが有機化合物のスペクトル分析の代表格でしょうか。

樹脂の識別に限れば、ある程度、赤外分光法(IR)でできます。ひとくちにIRといっても、分散型とフーリエ変換型でスペクトルを得る方法が大別されますし、測定法も5種類ほどあり測定法に合わせて試料の状態や必要なものが違ってきます。

本稿では、どうして赤外線で分かるのかといった原理をざっくり説明できたらと思っています。

照射された赤外線のうち吸収された部分、当該赤外線はどの領域の波数(Ex.1cm内の端波の数)でどれくらい吸収されたかが情報になります。
赤外線といっても780~10万nmの幅があるので、いろんな長さの波があります。そのいろんな長さのうち、どの長さ(赤外線波数領域)と反応するかをみるわけです。

 

分子はいくつかの原子が結合しているわけですが、分子内の原子の違いや結合の違いによって官能基部分毎の結合力が変わり、その結合力と赤外線波数領域が対応しています。

赤外線は人体に当たると暖かく感じます。つまり、エネルギーを与えられています。分子結合部分が振動し、エネルギー準位が遷移します。
この遷移という動きが心電図のピコンと反応するピーク(R波)みたいに現れ、心電図に相当するのが赤外吸収(IR)スペクトルになります。

だから、心電図から読み解くように、樹脂の同定もIRスペクトルから読み解く(間接的に分子構造をみる)ことになります。

 

それでは、より深くみるために、簡易モデルを設定しましょう。

原子Aと原子Bの二原子間で考えます。この原子間を結びつける力(結合力)は単振動のバネで近似することができます。一般にこれを調和振動子と呼びます。

結合力をバネ係数k、換算質量 として単振動を考えると、ポテンシャルエネルギーと運動方程式より、振動数 、従いまして、波長より

波数が得られます。

よって、波数と結合力は正の相関、波数と換算質量は負の相関があることがわかります。

 

次に、量子化して考えましょう。つまり、波ではなく粒として考えます。

運動量pとして、2原子間が基準よりxだけ伸びて単振動運動したとき、調和振動子のエネルギーの式は次の通り。

シュレーディンガー方程式は

これを漸近解をguesssしてエルミート多項式を乗じて、元式を満たす解を作り、漸化式を(以下、略)

シュレーディンガー方程式の解として、粒1つ1つの離散(整数)関数の解が得られます。飛び飛びになるエネルギー遷移が説明できます。

遷移エネルギーは

となるので、エネルギー準位遷移によって、特定の波数の赤外線が吸収されることが分かります。

※調和振動子を前提にしましたが、厳密には振動は非調和でボテンシャルエネルギーはモースポテンシャル関数で表すようです。単振動の線形モデルがそのまま援用できるわけないですからね。ただエンジニアリングモデルとして線形性は妥当ですよね、非常に簡単に相関を追っていけるので。

再掲しますが

より、赤外線を照射すると当該官能基(原子間)結合力に応じた波数の赤外線部分が吸収されることでエネルギー準位遷移がおき、IRスペクトルの当該波数上でピークが見られることが分かります。

逆もしかりで、いろんなノイズを取り除ければ、分析器からIRスペクトルを出力し、そのピークが起きている波数領域をみれば、何の官能基か推測できることになります。
ピークが複数個起きているので、それぞれの官能基を推測すれば、分子が推測でき、そこから樹脂が同定できます。

実際に分析する際は、このノイズを取り除いて当該樹脂由来部分だけのIRスペクトルを得ることが重要になります。もしくは充填剤がどんなピークをもたらすか、樹脂同定と異物同定双方を頭に入れる必要があるのではないでしょうか。
そして、黒色問題ですね。赤外線を吸収するので、いかに敏感に(反応よく)測定できるかが重要になります。ハンディタイプの簡易識別機がありますが、ネックになるのがここでしょうね。

最後に、、、ここまで御託を述べましたが、弊社には分析機器がありませんし、原理もすべて独学なので、説明に飛躍があるのは愛嬌ということでお許しください。
ATR法のできるフーリエ変換型の分析計測機器は欲しい(使いたい)んですけどね、、

最後までお読みいただきありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友