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樹脂識別機器の原理

樹脂の識別方法として、分析機器測定があります。

有機化合物の成分同定もしくは分子構造の同定といった分野があります。 例えば、新薬を作ったときに、目的物ができているか見ないといけません。逆に、異物混入していないかも必要です。

直接見ることはできないので、分子構造や官能基を間接的にみることになります。

その方法としては、質量分析法(Mass Spectrometry ;MS) 、核磁気共鳴分光法 (Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy ;NMR)、赤外分光法(Infrared spectroscopy ;IR)などが有機化合物のスペクトル分析の代表格でしょうか。

樹脂の識別に限れば、ある程度、赤外分光法(IR)でできます。ひとくちにIRといっても、分散型とフーリエ変換型でスペクトルを得る方法が大別されますし、測定法も5種類ほどあり測定法に合わせて試料の状態や必要なものが違ってきます。

本稿では、どうして赤外線で分かるのかといった原理をざっくり説明できたらと思っています。

照射された赤外線のうち吸収された部分、当該赤外線はどの領域の波数(Ex.1cm内の端波の数)でどれくらい吸収されたかが情報になります。
赤外線といっても780~10万nmの幅があるので、いろんな長さの波があります。そのいろんな長さのうち、どの長さ(赤外線波数領域)と反応するかをみるわけです。

 

分子はいくつかの原子が結合しているわけですが、分子内の原子の違いや結合の違いによって官能基部分毎の結合力が変わり、その結合力と赤外線波数領域が対応しています。

赤外線は人体に当たると暖かく感じます。つまり、エネルギーを与えられています。分子結合部分が振動し、エネルギー準位が遷移します。
この遷移という動きが心電図のピコンと反応するピーク(R波)みたいに現れ、心電図に相当するのが赤外吸収(IR)スペクトルになります。

だから、心電図から読み解くように、樹脂の同定もIRスペクトルから読み解く(間接的に分子構造をみる)ことになります。

 

それでは、より深くみるために、簡易モデルを設定しましょう。

原子Aと原子Bの二原子間で考えます。この原子間を結びつける力(結合力)は単振動のバネで近似することができます。一般にこれを調和振動子と呼びます。

結合力をバネ係数k、換算質量 として単振動を考えると、ポテンシャルエネルギーと運動方程式より、振動数 、従いまして、波長より

波数が得られます。

よって、波数と結合力は正の相関、波数と換算質量は負の相関があることがわかります。

 

次に、量子化して考えましょう。つまり、波ではなく粒として考えます。

運動量pとして、2原子間が基準よりxだけ伸びて単振動運動したとき、調和振動子のエネルギーの式は次の通り。

シュレーディンガー方程式は

これを漸近解をguesssしてエルミート多項式を乗じて、元式を満たす解を作り、漸化式を(以下、略)

シュレーディンガー方程式の解として、粒1つ1つの離散(整数)関数の解が得られます。飛び飛びになるエネルギー遷移が説明できます。

遷移エネルギーは

となるので、エネルギー準位遷移によって、特定の波数の赤外線が吸収されることが分かります。

※調和振動子を前提にしましたが、厳密には振動は非調和でボテンシャルエネルギーはモースポテンシャル関数で表すようです。単振動の線形モデルがそのまま援用できるわけないですからね。ただエンジニアリングモデルとして線形性は妥当ですよね、非常に簡単に相関を追っていけるので。

再掲しますが

より、赤外線を照射すると当該官能基(原子間)結合力に応じた波数の赤外線部分が吸収されることでエネルギー準位遷移がおき、IRスペクトルの当該波数上でピークが見られることが分かります。

逆もしかりで、いろんなノイズを取り除ければ、分析器からIRスペクトルを出力し、そのピークが起きている波数領域をみれば、何の官能基か推測できることになります。
ピークが複数個起きているので、それぞれの官能基を推測すれば、分子が推測でき、そこから樹脂が同定できます。

実際に分析する際は、このノイズを取り除いて当該樹脂由来部分だけのIRスペクトルを得ることが重要になります。もしくは充填剤がどんなピークをもたらすか、樹脂同定と異物同定双方を頭に入れる必要があるのではないでしょうか。
そして、黒色問題ですね。赤外線を吸収するので、いかに敏感に(反応よく)測定できるかが重要になります。ハンディタイプの簡易識別機がありますが、ネックになるのがここでしょうね。

最後に、、、ここまで御託を述べましたが、弊社には分析機器がありませんし、原理もすべて独学なので、説明に飛躍があるのは愛嬌ということでお許しください。
ATR法のできるフーリエ変換型の分析計測機器は欲しい(使いたい)んですけどね、、

最後までお読みいただきありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友

膜とは何か? 思想篇

9月になったとはいえ、まだまだ湿度の高い暑い日が続きますね。

最近、廃棄物許可更新のための講習会(試験)がありました。
講習会で代表的廃棄物の中間処理方法が紹介されるのですが、廃油処理に分離膜はでてきません。埋立地の浸出液処理の方で簡単に紹介されます(膜の種類と透過防止対象)。
埋立地での分離膜モジュールは分かりませんが、弊社では切削加工部品の洗浄排水等のエマルション性含油廃水を対象にしているので、浸出液のような薄い液はもちろん濃い液体も分離しております。濃いと膜のファウリングが起きやすく、処理工程が円滑に進まないのですが、色々な工夫をして膜の能力が長期的に発揮できるようにしております。

 

後付けではありますが、今回は、「膜とは何か?」をテーマに書きたいと思います。

 

私は(分離)膜の事を考えない日はないのですが、そもそも膜とは何でしょうか?

 

我々生物には細胞膜があります。私が大学1年生のころに図書館で論文誌を初めて手に取って目を奪われた(記憶に残っている)のが、生体膜とイオンチャンネルに関するものでした。論文内容は忘れたのですが、生物の細胞というのは膜で覆われていて、この膜には選択的にミネラル等のイオンを通すゲートがあります。このゲートのメカニズムの研究だったと思います。
現象として在るものの微小世界の機構で制御されている、世界の成り立ちに興味を持ち、そうした研究をしたいと思うようになった出会いでした。

 

そう、この眼前に広がる世界もスケールを小さくしていけば、素粒子で成り立っています。
これがどう成り立っているか説明できる、世界の構成最小単位の仕組みが説明できれば世界全体が説明できる、統一理論の夢があるわけです。

 

議論の余地は大いにあれど、超弦理論がその筆頭にあります。粒子が点ではなく線であることで有限性が生まれるので理論破綻を免れ(半径0でなくなるので無限大量でなくなり)、M理論をもってくることで重力子を超弦理論に取り込めるようになりました。

 

この統一理論ないし超重力理論のM理論に登場するDブレインは「膜」なんです。水面のように広がった、場の理論のソリトンなんです。
ひも状の開弦は両端を固定端として膜に貼りつき、わっか状の閉弦は膜から浮いた状態(もしくは膜同士をつなぐ円筒)として説明されます。

 

語弊はあれ、この世の現象は膜状のものによって築き上げられている、と考えれば、胸は高鳴ります。

 

取り込めたからといって諸々の整合性や実証性が不完全であるようですが、、、(最近は8月10日に2018年から開始していたミュー粒子の実験統計値が統一理論の手前の標準理論から導かれる予測値に合わなかったようです。最終的な結論が出るのは2025年のようですが、理論がおかしいのか、実験がおかしいのか、難しい問題です。

 

 

話は胸の高鳴った細胞膜に戻ります。

 

そもそも生物の定義とは何でしょうか?

ある程度生物学者たちに受け入れられていると言われるのが次の3条件です。
(1)外界と膜で仕切られている、(2)代謝を行う、(3)自己複製する

 

そう生物の定義にも膜が出てきます。
M理論の膜は数学的要請に応えるもので、boundaryな性質をもっていると考えれば、膜というものに向き合うことが我々の存在にも向き合うことになると、、、

 

数学は数学語で語るべきで、哲学は哲学語で語るべきで、日常語を持ち込むと数学の世界のことを説明しきらない不誠実さが生まれるので、、、知らずとソーカル事件が生まれるわけです。かといって、M理論なんて私が素粒子物理学を専攻したとして何年かけて数学的記述が自身でできるようになるのかというレベルでしょうが。。。
研究にはお金がいるので、予算をとるためには、日常語で語るべきで、何にせよ難しいですね。

 

 

 

我々はどこから来たのか

我々は何者か

我々はどこへ行くのか

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友

 

 

廃プラは技術者が真っ当に向き合った記録

良い言葉が見つかりません。

 

お客様とお話させていただく際、単なるお金の話だけでなく、製品の話を聞かせていただくことがあります。
私に話しても仕方ないと思われているかもしれませんが、、、私はこちらの方が楽しい時間です。

 

お話から製品へのこだわりや思いを感じます。私の引き出しが少ないのが申し訳ありませんが、、、それでもお話していただけます。感謝です。

 

 

「簡単に見えるかもしれないけど、これは技術の塊やからね」

 

そう言われて、分かっていたつもりでしたが、ものづくりのプロとしての矜持があるからこそ廃棄される製品があるのだと実感しました。

 

技術を磨くために作ったものも廃プラにはあります。

良いものを作るために出てくる副産物であると。廃プラの方がいろんな挑戦の跡があるんじゃないかとも。

 

 

それは、ごみじゃない。

 

まだまだ私たちにも向き合うべきごとがある、そう思わされます。

Venus Flytrap

お世話になっております。
3年前に買った1株のハエトリグサが5株になりました。現在、可愛らしい白い花を咲かせています。

会社で育てていたのですが、ちょっと弱っていたので、自宅に持ち帰っておりました。
なかなか蕾が花開かず、新しい葉も少なかったので、開花前に花を摘んでしまおうかとも思いましたが、無事に花も咲かせました。

 

待ち望んでいた開花ではありましたが、台風に起因する強風が心配で花を摘みました。
浅い根張りであることから、水で土壌が緩み、強い風が吹くと、自身の花の重さに耐えきれず横倒しになってしまいます。
また、花に栄養を取られすぎて、株自体は弱ってしまいます。

 

 

今朝摘んだ花を子どもに渡したら、ずっと離さず、保育園の中に持っていきました。
ハエトリグサの葉を蝶々と言って鷲掴みする子どもでもあります。
それでも、無事花を咲かせ、一番喜んでくれる子どもに渡せて良い形で会社に戻せそうです。

会社は会社で、ハエトリソウの葉の開閉を楽しみたい欲求に駆られて、葉が枯れるリスクを度外視して触られる方もいますのも難しいもので、、、


今年も虫の殺生を行っております。

虫に痛覚はあるのか、、、熱や圧力に反応する神経細胞の受容器はあるようで、この受容器が中枢神経の脳でどう処理されるか?
非常に心苦しい問題です。
木の剪定をしていると、身体のどこかに蟻や毛虫がつくことはあるし、蜂に襲われることがあります。私自身は幸運なことなのか嚙まれたり刺されたりしても比較的軽傷ですむことが多いです。
それでも取引先の方に何かあったら矛先は弊社に来ますし、蜂はアナフィラキシーが怖いし、木や花だって弱ります。
基本的に物理的に対処します。会話は成立しません。薬は毒や窒息を思わせるので、あまり使いたくありません。
だから、某ラケットの子ども用で物理的にとなります。
少なくとも短視点的であれば、ピンセットで離れたところに(目の届かないところに)投げ捨てることも考えられます。
鋏で羽根だけ落としたら、、、何が可哀想で何が妥協点になるか、わからなくなります。


何が環境事業なのか、誰のための何のための環境なのか、何かをすれば益も害も生み出すものです。
いろんな物差しがあれば、いろんな(広い意味での)学説もあり、なんだかんだで自分にとって都合の良い立場を良いように捉えてしまう弱さ・思考停止の部分もあり、、、

これが何かのブレイクスルーとなりうるのか、ただただ沈んでいくだけなのか、、、

 

何を見て、何を見ないか、どこまで見るのか、、、、結局、自分自身と向き合うことになります。

私はどう生きたいのか、、、いつだって水鏡に映る私は揺れています。

 

雨で始まるGW

小雨をふらす老樹のうつろのなかに
たましひをぬらすともしびうまれ、
野のくらがりにゐざかりゆく昆虫の羽音をつちかふ。

(大手拓次)

ゴールデンウィーク中にやりたいことのひとつに、膜分離の思想として、膜や境界に皮膚、数学におけるgeneral topologyのboundaryについてまとめたいと思っていたところ、松岡正剛氏の千夜千冊に久しぶりに誘われ、この小雨が丁度大手拓次氏の言葉が同サイト内にあったなと引用いたしました。

ここから、「大手拓次氏はライオン歯磨本舗様の広報部におられたな、私も広報といえば天文台の広報にいて、最近話題になったi-space様、、、」との話か、「うつろといえば、虚舟で、松岡正剛氏が以前中空構造と虚ろの話で澁澤龍彦氏の話を、、、」との話か、「ゐざかりは遠ざかり(遠ざかる)というように、い避かる、、、」との話か、、、ゆっくり思考をぐるぐるさせていたいところでした。

ビジネスでは「巧遅は拙速に如かず」が重要になることが多く感じられます。

時には、ポツポツと言葉を紡ぎたいと思うこの頃です。
ブログがビジネスとしての広報になっているのか、どうかは別として。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友

迷走するロケット、舞う<天使>、地を這うドードー(ピンチョン)

カメラは音も立てずに物かげからこっそり(中略)古く変色した銀の冠をかぶっている。

(略)

まるでその一齣が停止して、あの永遠なる黄金の一瞬へと引き延ばされたかのようだ。ま新しく、しかも変色した黄金の一瞬へと。

(略)

古めかしく雨風に傷んだ窓ガラスに、フィルムに収める静止した一瞬、彼女のドレスが、顔が、髪が、手が、ほっそりしたふくらはぎが、すべてガラスと一体になって輝く――それはあちこちに落ちるロケットの爆風に一日中震える半透明な雨の守護神。

(略)

この北方の古い形式――つまり、迷える子どもたち、お菓子の家に住む森の魔女、囚らわれの身、肥え太ること、<オーブン>など――こそ保持すべき自分たちの日常生活、つまり避難所なのだ。かれら三人には耐えられないだろう、外部の――<戦争>、「偶然」の絶対的支配、そのまっただなかに置かれた自分たちの身の上のおぼつかなさなどには……。

(略)

しばしばロケットは狂って、でたらめに方向を変え、キーンというものすごい音を立てて迷走し、回れ右して墜落する。手もつけられず、しかも恐ろしいことに修正もできずに狂ったままで。

(略)

心中ひそかにこれだけは、信じているかもしれない。あらゆる<おとぎ話と神話>のなかでこの形式だけは。つまり、森のなかのこの魔法の館がのちのちまで残り、たとえ偶然にしろここに爆弾が落ちることはないと信じているのだ。

(略)

何のためだったのだろうか。殺戮の海、壊疸の冬と飢えの春、不信心な人物の徹底的追跡、〈獣〉と格闘する真夜中、氷になった汗と青白い雪となった涙、こういった瞬間を求めるのでないとすれば。

(略)

われわれ人間のただの餌食だ。神はそれほど残酷であるはずがない。

(略)

しかし信念に関していえば……かれは手にしている銃という鋼鉄の現実しか信じられない。

(略)

雪がくるくる舞い、目に見えない針が緑色のブラインドのむこうの神経のない窓ガラスにこつこつあたる。フィルムがリールに入れられ、電灯が消され、蛸のグリゴリーはスクリーンに注意をむける。スクリーンにはすでに人影が歩いている。カメラは、(中略)古く変色した銀の冠をかぶっている・・・・・・。

アゲラタムの花言葉は。。。

ご無沙汰しております。

夏に書こうと思っておりましたが、冬になってしまいました。
県知事選挙が終わった後に、再度書こうと思っておりましたが、また伸びてしまいました。
と、思っていたら、もう春の陽気です。3月ですが、日中はもう初夏がやってくる勢いですね。

あちらこちらに綺麗な花が目に惹くようになりました。道路沿いであったり、民家であったり、様々なところで花壇を目にすることがあると思います。

以前であれば「黒木さんちの芝桜」と言えば、「新富町の上新田のあそこでしょ」なんて話が出てきました。ネットを利用すれば、知る人ぞ知る隠れ名所も出てくるかもしれません。個人宅での撮影には注意しましょう。無断侵入・撮影は問題がありますし、花壇の手入れをしていると「天国のようにきれいな花畑ですね」と声をかけてきた方が、これから花を咲かせる花卉を踏みつぶしていたなんて話を聞いたことがあります(何も知らないと草と見分けがつかない可能性も、球根が埋められている可能性もあります)。

 

【感謝の気持ちを伝える花】
花はふとした瞬間に心の琴線に触れる力があります。それは単なる美しさだけではない生命宿るものがもつ力だと思います。

血は流れていなくても、地に根を生やし、体内には流体物があります。運動があり、伝達があります。

 

取引先の関係で弊社が花を植えている花壇があるのですが、ある初夏に青いアゲラタムを植えました(他の花も植えていますが、割愛)。そうしたら何故か草が生えない日が続きました。

秋が終わる頃、花の植え替えに立ち寄ると、声をかけてこられる方がいました。その方は近所で牛の畜産業を営んでいる方でした。

平成22年の口蹄疫は本当に大変で、多くの人の助けがあったから現在があるのだと話されました。それは10年たった今でも感謝しても感謝しきれないくらいの思いで、その思いを何かで示したいと思っていたそうです。
この青いアゲラタムが目に入ったとき、何とも言えない愛おしさに溢れたそうで、青いアゲラタムの世話をすることが感謝の思いを示すことになると感じたそうです。

 

【花言葉】
アゲラタム(ageratum)はギリシャ語で不老です。日本で越冬は難しいのですが、初夏から晩秋まで花を咲かせてくれます。暖かい国では多年草で、毎年長い期間、花を咲かすことから不老の名を持っているのでしょう。そこから、信頼、安泰といった花言葉がつけられています。特に青い花の方に信頼という花言葉がついているようです。

2022年は傷ついてばかりでした。そんな折、久しぶりにこの時の畜産農家の方にお会いしました。アゲラタムのことを思い出して、信じて信じて悩みながらも折れずに何らかの花を咲かせ続けたいと思い起こさせてもらえました。

 

【癒されたアキレス】
アゲラタム自体はキク亜科のヒヨドリバナ連カッコウアザミ(アゲラタム)属になるようですが、属が違う種類にキク亜科のキク連ノコギリソウ(アキレア)属はアキレア・アゲラタムという名がついています。アキレア・アゲラタムはアキレス腱で有名なアキレウスが瀕死の状態のときに癒したようです。ただ治癒しきれずにそのまま死んでしまったわけですが、アゲラタムがこうして現代で現実において心を癒してくれたことが不思議です。
そのあたりのことも思うと、口蹄疫で傷ついた畜産農家の方がアゲラタムに惹かれたのは、単なる偶然なのか、アゲラタムが引き寄せたのか、、、色々と思う次第です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友

人と人とのやりとり

皆既月食ご覧になられましたか? 天王星食ご覧になられましたか?

普段と違った目、心持ちで空を見上げ、非日常を味わえるひとときがあることは幸いなことです。そして、同じものを、いろんな場所の人々がワクワクしながら見ていた時間があることに、幸せの在り方を見つける何かを感じてなりません。
私は一時こうした広報部のお手伝いをしていたことがあるので、こうしたニュースを説明している専門家をみるとき、広報部のあの方はもう退いたのかな、一緒に星空を解説した彼の某プロジェクトはどうなったかなとも思います。

かつての友人や関わった人々のことを想うことは、人生の豊かさを感じることでもあります。

私は仕事をするとき、縁を大事にしたいと思っております。もちろんビジネスとして利益追求が第一義的になくてはいけませんし、口下手なので(と思ってしまうこと自体、意識してしまうので駄目なんでしょうが)もっと弊社のことを伝えられることがあったはずだとか、もっとお客様のことを理解するために話を聞きだすことができたはずだとか、、、東の木星を見ながら反省しています。

ひとつ取引先を失えば、そこまでずっと関わっていただいた様々な人々を裏切ってしまった気がします。
現在の取引の形というのは、最初と違って、色々な創意工夫や気遣いの積み重ねで出来上がっていきます。色々な思いが詰まっています。
会社が赤字になってまで失わないようにするかと言われれば違うでしょうし、多くの情報非対称性を解消できる交渉の術を持てなかった部分があることもあり己を憎むべきこともあるでしょうが、色々な思いを守れなかったことが悲しいです。
そう思うことも勝手なんでしょうが。。。
金額だけの問題であれば、私たちの無形の遺産が残るかもしれません。

これからも何ができるか、何を残せるか、私たちがどう生きていくか、問い続けなければなりません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

有限会社アイ・エス・オー 長友

農民芸術概論綱要(宮沢賢治)

曾つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた
そこには芸術も宗教もあった
いまわれらにはただ労働が 生存があるばかりである
宗教は疲れて近代科学に置換され然も科学は冷く暗い
芸術はいまわれらを離れ然もわびしく堕落した
いま宗教家芸術家とは真善若くは美を独占し販るものである
われらに購ふべき力もなく 又さるものを必要とせぬ
いまやわれらは新たに正しき道を行き われらの美をば創らねばならぬ
芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある
都人よ 来ってわれらに交れ 世界よ 他意なきわれらを容れよ

(中略)

世界に対する大なる希願をまづ起せ
強く正しく生活せよ 苦難を避けず直進せよ
感受の後に模倣理想化冷く鋭き解析と熱あり力ある綜合と
諸作無意識中に潜入するほど美的の深と創造力はかはる
機により興会し胚胎すれば製作心象中にあり
練意了って表現し 定案成れば完成せらる
無意識即から溢れるものでなければ多く無力か詐偽である
髪を長くしコーヒーを呑み空虚に待てる顔つきを見よ
なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ
風とゆききし 雲からエネルギーをとれ

GODISNOWHERE

God is nowhere.

 

マッチ擦る
つかのま
海に
霧ふかし
身捨つるほどの

祖国はありや

(寺山修司)

 

愛国心・家族愛とそこから至る平和への切望、、、それはあまりにも純粋で美しく、透き通れば透き通るほど言いようのない深い哀しみに襲われます。そして、これがスクリーンの向こう側ではなく、現実に、同じ地球上で起こっていることに対して、ただただ祈るしかできないのか、、、

 

おこたらず
祈る手向けの
言の葉は
おろかなるをも
神や受くらむ

(霊元天皇)

 

God is now here.