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月別アーカイブ: 2023年4月

雨で始まるGW

小雨をふらす老樹のうつろのなかに
たましひをぬらすともしびうまれ、
野のくらがりにゐざかりゆく昆虫の羽音をつちかふ。

                  (大手拓次)

 

ゴールデンウィーク中にやりたいことのひとつに、膜分離の思想として、膜や境界に皮膚、数学におけるgeneral topologyのboundaryについてまとめたいと思っていたところ、松岡正剛氏の千夜千冊に久しぶりに誘われ、この小雨が丁度大手拓次氏の言葉が同サイト内にあったなと引用いたしました。

ここから、「大手拓次氏はライオン歯磨本舗様の広報部におられたな、私も広報といえば天文台の広報にいて、最近話題になったi-space様、、、」との話か、「うつろといえば、虚舟で、松岡正剛氏が以前中空構造と虚ろの話で澁澤龍彦氏の話を、、、」との話か、「ゐざかりは遠ざかり(遠ざかる)というように、い避かる、、、」との話か、、、ゆっくり思考をぐるぐるさせていたいところでした。

ビジネスでは「巧遅は拙速に如かず」が重要になることが多く感じられます。

時には、ポツポツと言葉を紡ぎたいと思うこの頃です。
ブログがビジネスとしての広報になっているのか、どうかは別として。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友

GW休暇

GW休暇のお知らせです。

4月29日土曜日から5月8日月曜日までお休みをいただきます。
A型就労支援事業所との業務提携上、私が出てくることもありますが。。。

電話対応等はできますが、履歴が1日で飛んでしまうほど多種多様な電話が来ることもあります。
休暇後の対応でも大丈夫な場合、お問合せよりご連絡いただけますと幸いです。

迷走するロケット、舞う<天使>、地を這うドードー(ピンチョン)

カメラは音も立てずに物かげからこっそり(中略)古く変色した銀の冠をかぶっている。

(略)

まるでその一齣が停止して、あの永遠なる黄金の一瞬へと引き延ばされたかのようだ。ま新しく、しかも変色した黄金の一瞬へと。

(略)

古めかしく雨風に傷んだ窓ガラスに、フィルムに収める静止した一瞬、彼女のドレスが、顔が、髪が、手が、ほっそりしたふくらはぎが、すべてガラスと一体になって輝く――それはあちこちに落ちるロケットの爆風に一日中震える半透明な雨の守護神。

(略)

この北方の古い形式――つまり、迷える子どもたち、お菓子の家に住む森の魔女、囚らわれの身、肥え太ること、<オーブン>など――こそ保持すべき自分たちの日常生活、つまり避難所なのだ。かれら三人には耐えられないだろう、外部の――<戦争>、「偶然」の絶対的支配、そのまっただなかに置かれた自分たちの身の上のおぼつかなさなどには……。

(略)

しばしばロケットは狂って、でたらめに方向を変え、キーンというものすごい音を立てて迷走し、回れ右して墜落する。手もつけられず、しかも恐ろしいことに修正もできずに狂ったままで。

(略)

心中ひそかにこれだけは、信じているかもしれない。あらゆる<おとぎ話と神話>のなかでこの形式だけは。つまり、森のなかのこの魔法の館がのちのちまで残り、たとえ偶然にしろここに爆弾が落ちることはないと信じているのだ。

(略)

何のためだったのだろうか。殺戮の海、壊疸の冬と飢えの春、不信心な人物の徹底的追跡、〈獣〉と格闘する真夜中、氷になった汗と青白い雪となった涙、こういった瞬間を求めるのでないとすれば。

(略)

われわれ人間のただの餌食だ。神はそれほど残酷であるはずがない。

(略)

しかし信念に関していえば……かれは手にしている銃という鋼鉄の現実しか信じられない。

(略)

雪がくるくる舞い、目に見えない針が緑色のブラインドのむこうの神経のない窓ガラスにこつこつあたる。フィルムがリールに入れられ、電灯が消され、蛸のグリゴリーはスクリーンに注意をむける。スクリーンにはすでに人影が歩いている。カメラは、(中略)古く変色した銀の冠をかぶっている・・・・・・。

樹脂(プラスチック)の分子式と特徴

案外?樹脂排出企業の担当者やリサイクル事業者に樹脂の分子式を描ける方って少ないです。マストな知識ではないですからね。

大学を理系受験していれば、化学やってて、高分子もやっていると思います。
私なんかは高校化学で高分子にきたとき、スポーツと人体に興味があったので、ワクワクして学びました。プラスチックは白川英樹先生のパネルディスカッションに高校時代行ってますし、受験でもPA6やスクロースは見かけたような気がします。

 

樹脂の識別で有名なのは、バイルシュタイン反応ですかね?
塩ビ(塩化ビニルPVC)はハロゲンの塩素を含んでいるので、銅と熱反応させて塩化銅にし、火であぶると青緑の炎色反応が確認できます。

 

【比重】
比重ですと、例えば水中沈降によって確かめる場合、空気を抜かないといけないし、形状による抵抗力や浮力を意識しないといけません。
それに、添加剤は比重が大きいものが多いのも忘れてはいけません。
触った感覚や艶などで添加剤を意識しつつ、形状によるモーメントを意識しつつ、樹脂自体の比重を想定する(選択肢を絞る)ことが多いです。

 

【固さ・しなり】
樹脂の分子ベースは炭素や水素が手をつなぎあっています。1つの手でつないだり、2つの手でつないだり、輪っか(六角形)になったりしています。
PP(PE)とPSの違いは、輪っかになっているかどうかなんですが、固さという点では全然違います。

 

それが、材質にそのままでてきます。

 

固いプラスチックはだいたい輪っかになって手を繋いでいます。ベンゼン環が分子式に含まれています。
テレフタル酸からできるPBTやPET,ビスフェノールAからできるPCはみんな固いです。
逆に柔らかいビニール袋はベンゼン環のないPPやPEです(シートや折れ目が付くような袋は多層フィルム構造で、薄く多種樹脂の層が入っていることもあります)。
ベンゼン環がなくて、固くなりたいときは、ガラス繊維を身体に取り込んでいる子が多いですね(ベンゼン環があっても強化材にガラス繊維を入れることも珍しくはありませんが)。

 

ベンゼン環みたいに輪っかになっていると、耐熱性もでてきますね。やはり輪っかになることでの安定性というのはあります(ただベンゼンが独立して出てくると、人体に、、、)。

火であぶると出てくる煤は不完全燃焼反応によるとみられ、二重結合(2つの手でつなぐ、ベンゼン環内にも含まれる)が推測されます。
二重結合は工業用エンジニアリングプラスチックになると大抵使われていますが。

吸水性の高いものは親水性のあるアミド結合やエステル結合を含むことを推測させられます。

 

 

 

プラスチック触りながら、一種の触診ですね、、、どんな分子構造しているか考えます。

といったことで、高校化学それなりにやっていて良かったと思うことはあります。
高校卒業後はなかなか触れる機会はありませんでしたが、、、化学的なことはイオンチャンネルがシンプルに感心して面白い仕組みだなと思いましたが、、、人工臓器のための材料工学は関わる可能性があるかもと思いましたが、、、が、、、が、、、人生どうなるか分からないものです。

(有)アイ・エス・オー 長友

分離膜装置導入1年

とうとう4月です。積みあがる書類、分析対象のせいか、多くの企業様が新年度を迎える実感がわきません。
強いて言えば、決算棚卸前の緊急処分依頼に、走り回っていたのが小休止になるかなといったところです。

 

新しい、と言えば、弊社が導入した分離膜装置が1年たちました。
能力や課題について学習データがそれなりに揃いました。
機械とも一部の排水については、一方的ですが、理解と愛が深まったと思っています。
少しずつご紹介させていただき、少しずつ分離膜を使った処理に興味をもっていただいてもらって、弊社に排水処理のご相談をもちかけていただければと思っております。

弊社に分離膜装置導入を手掛けていただいた企業様は排水処理といえばすぐに名前が挙がる企業様ですが、それでも分離膜装置を排水処理で導入したのが初めてでした。
純水製造装置に使うような分離膜を排水処理装置に持ってくるのですから、、、

 

【処理目的】
導入のメインとなる処理ターゲットはエマルション性含油廃水です。もっとかみ砕いて言えば、油分を含んでおり、そのままでは放出できないけど、ほとんど水だから引火性もないような液体です。

これを濃縮していこうという第1のモチベーションです。
更に、きれいな水を取り出そうという第2のモチベーションです。

この2つのモチベーションに合わせて、1次処理、2次処理と二段階濃縮をとります。

 

【1次処理:UF膜】
1次処理は限外濾過(UF)膜によって、大きな分子と小さな分子を選択的に分離します。圧力を加えて、イオン等の小さい分子を膜から外に出します(大きい分子を膜内に残します)。
医療では血液透析に同じような手法が用いられております。

あくまでも膜です。フィルターのように目は見えません。穴ではなく孔と言い、孔径は1~10nmくらいです。1mの1億~10億分の1です。1mmの10万~100万分の1です。

大きいと言っても、光学顕微鏡でも見えないタンパク質やウイルスサイズすら通りません。

UF膜を透過した液(UF処理水)を目視すると、何も言われなければ水道水に見えます(高濃縮負荷がかかってくると、うっすら白みがかかったり、黄色味を帯びたりします)。

一般に油と認識できるものは確実に透過できないので、油を濃縮することができます。
※厳密には高カロリー燃料のために高濃縮するとマヨネーズ状になり、膜が詰まってしまいますので、低カロリー燃料になります。

 

【2次処理:RO膜】
2次処理では逆浸透(RO)膜によって、真水のみを膜から外に出します(イオン等のミネラル分といった小さな分子すらも膜内に残します)。
医療だと腹膜透析が浸透圧を利用しておりますが、腹膜透析は正浸透圧現象です。
弊社の処理装置では、逆浸透圧現象を起こさせます。
浸透圧によって溶媒(水)の移動が薄い方から濃い方に膜間を移動することから、逆ベクトルに圧力をかけてあげることで、いわば錯覚させて溶媒の移動が濃い方から薄い方に移動させます(逆浸透)。この薄い方が真水であれば、処理対象の排水から真水のみが移動していくというわけです。

一般にRO膜は純水製造機であったり、海水から飲料水を(脱塩)作ったりするのに使われます。

モジュールと運用方法で廃油のUF処理水でも目詰まりをコントロール運用できるように頑張っています。

 

彼女が無礙であればあるほど、私の刃はますます深く彼女の死へわけ入った。そのとき刃は新らしい意味をもった。内部へ入らずに、内部へ出たのだ。

(三島由紀夫)

 

そうですね、透析みたいなことを汚れた排水でできるのか?と思われることと思います。
しかも、自分が仕入れて、使って、排水したものではなく、目の届かない様々な他者によって手を加えられて排出されたものであるから、安全に、そして、安定的に処理ができるのか?とも。

科学の力を信じろ! とは言いません。
難しい理論を振り回す、、、のはさておいて、原理上、そして、センサーによって、少なくとも安全性は担保できております。

原理上というのは、単純明快(乱暴)に言えば、水ほど小さな分子はないのだから、水しか通れないような穴(孔)を何が通れるのかとも言えます。つまり、物理的に自分の身体より小さな穴は通れないのと同じです。

 

【処理安全性】
安全性管理のために、万が一、膜が破れたり、穴が広がった(押し通った)としても、電気伝導率で監視して防ぐようにしています。
電気伝導率というのは逆に言えば電気抵抗をみています。不純物(イオン)は電気を通すので、その通りやすさ(電気抵抗の度合い)を監視して、不純物が外に出ていかないように制御しています。基準値を満たさないと出ていきません。
あとは、pH、COD、ノルマルヘキサン値は排水基準値があります。精密に測ること、適度な指標でも頻繁に測ること、事前にセンサーでブロックすることのバランスは大事だと思っています、、、と話がそれていってますね。

そう言えば、廃油とお友達になりたくて、使用油や洗浄剤のSDSみたいな紹介文をいただくこともあるんですが、成分(分子式)が一部非公開であることもあって、名前と顔が一致しないみたいな、もどかしい時があります。
分子が直鎖かどうかでも膜の透過具合が変わってくるので、膜分離を考える上で、処理対象物の成分と分子式は濃縮・分離のイメージ(処理予測)をするのに、頭を巡らせることになります。

分子式ってすごい情報を持っていることを、次は樹脂(プラスチック)識別について書きたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友