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プラスチックの油化

ご無沙汰しております。
気が付けば、刻々と時は流れ、ブログ更新が途絶えておりました。

時間のマネジメントの難しさを感じる毎日で、ブログ更新の優先順位度は低いので、後回しになっておりました。
そうは言っても、触れておきたいプラスチックの油化の話です。
昨年2020年12月15日「低温でのポリオレフィン系プラスチックからの有用化学品合成に有効な固体触媒系の開発に成功 ~プラスチックの新たな変換法を確立!~」と大阪市立大学と東北大学の共同研究(大阪市立大学 人工光合成研究センターの田村正純准教授と東北大学大学院工学研究科応用化学専攻の冨重圭一教授ら)として発表がありました。2020 年 12 月 10 日(木)に『Applied Catalysis B: Environmental (IF=16.68)』にオンライン掲載されたことによります。
こうしたニュースは鮮度も大事なので、昨年中に触れておきたかったのですが、半年経ってしまいました。

小泉環境相も言われた通りプラスチックは原油から作られているので、プラスチックは高カロリーで廃材を固形燃料(RPF)の原料として利用できます。
更には元の油に戻すことも可能です。

ちょっと調べれば、プラスチックを油化する実験が出てきます。弊社もストーブの上で実験したことがあります。
単純な仕組みで考えると、油化するための必要エネルギーから得られる油は少ないです。
とは言え、理論から実務ベースに持っていくエンジニアリング技術は素晴らしく、油化装置は実用化されています。
(この技術の詳細は不勉強ですので、採算性は明示できません)

弊社も一度机の上で検討したことはあり、それが実験した理由にもなりますが、お声掛けしようと思っていた企業様が倒産してしまって上手くいくのだろうか、、、と恐怖心が植えつけられました。

話は戻して、今回の研究発表のポイントは触媒を使うことで200℃で油化できること、ポリオレフィン系プラスチックであることではないでしょうか。

200℃であれば油化するための必要エネルギーは少なくてすみます。
また、ポリオレフィン系というのはプラスチックの中でも炭素と水素からなる分子でシンプルな構造をしたものです。ペットボトルの素材のPETはそこにテレフタル酸と重縮合したものですから違います。つまり、プラスチックなら何でもいいわけではありません。

そうは言っても低エネルギーで油化できることは大きな一歩だと思います。
ポリオレフィン系といえど、添加剤の多いもの、ガラス強化品(ガラス繊維を混ぜたもの)などがありますので、その辺りは特に工業系の部品を扱う場合はテストが必要だと思いますが。
ただプレコンシュマー材は素直にプラスチック原料にするのが良いと今のところは思っています。
そうなると、もうプラスチック原料にするには劣化しすぎている(既に何度かリサイクル原料化されている)場合のポリオレフィン系と限定され、導入は難しいなと思ってしまいます。

私は臆病です。色んな要素を気にしていては前に進めないから、取りあえずやってみることの重要性は経験上もわかります。ただ従業員がいて、、、家族がいて、、、取り返しのつかない自然環境破壊がないように考えて考えてやっていきたいです。
小さな会社といえど、、、です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(有)アイ・エス・オー 長友