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ほんとうにリサイクルできているか

結局、排出者側にとっては「高くで売れるに越したことはない」のが強いインセンティブになるというのは、実感しております。

買取者側にとっては「高くで買うためにはどうするか」が問題であり、色んなリスクを背負う必要があります。その点では、弊社はリスクを避けております。その代わり、市況が悪くなり始めたときには早めに情報提供をするようにしております。いきなり明日から回収しないなんてことはやったことありません。逆に、明日から来ないでくれと言われたことはあります(高くで買うところに出す)。
最近、ちらほら不払い問題や急な引取停止問題をお聞きします。

海外への輸出が厳しくなっており、それが反映されているといっていいでしょう。

 

 

個人的には今後大量排出者は自社で循環させるようになると思います。物性等を一番理解しているのは製造者側であり、品質の確保も達成できるでしょう。
少量排出品(者)はどうしようもなくなるのではないかと思います。コストに見合わない上、品質も確保できない。グレードの混ざり合った樹脂で何が作れるかは、品質を大事にしている製造者側(排出者側)が一番わかっている(分からない)のではないでしょうか?

オレフィン系は比較的扱いやすいでしょうから、オレフィン系のリサイクルについては製造の段階から各化学メーカーが奮闘している情報が定期的に飛んできます。炭化水素の鎖に色々と付いたものは、更に他のものもくっ付きやすいこともあったり、構造がほぐれにくかったりしますから、分子レベルからのリサイクルは難しいのではないでしょうか?

正直、弊社も少しでもリサイクルフローに乗せようと、頭や手に物性を覚え、見えない分子構造を解読しようとして参りましたが、在り方を変えていく必要があるとは思っております。そうでなければ、弊社自体も消えていくことになるでしょう。正直既に樹脂の有価買取だけを考えると、従業員ひとりフルタイムで雇えないくらいの利益しか出せておりません。実際、多くの樹脂買取専門業者のフルタイム従事者は一人しかいないように思います。

 

私たちの周囲の物質は刻々と変化しつつあった、あるいは、いろんな分子が混乱状態から混乱状態へ、そしてまた別の混乱状態へと移行しつつあったと言ってもよい、言葉をかえれば、実際には相変わらず同じ状態にとどまっていたということである。唯一の真の変化とは分子がなんらかの秩序にきちんと配列されることなのであり、そしてそれこそヴグと私がいろんな物質の混合物の中をあてどなく歩きながら求めていたものなのである。

(略)

私たちはどうして理解しあえよう? 私にとっては同質のものが不可分に増大していき、平静に達することのみが価値あるのであり、彼女にとっては分離と混合、そのどちらか一方、あるいはそのどちらでもあるものが価値あるのであった。

(略)

いまだに世界に形状を与えている、しかしそれはかつてそうなり得たかも知れず、そしてもう二度とそうはなり得ぬ世界の姿の幻影でしかないのだ。

「結晶」『柔かい月』イタロ・カルヴィーノ/脇功訳

 

機械学習の基本は、入力値から返ってきた出力値を振り分ける学習値があって、それと正解値と学習値のギャップを最小に埋めることだと理解しています。統計の基本と同じです。統計値が誤差を最小に埋めることです。
ここだけならAGIは出てこないのでしょうが、、、(あまり知ったかぶりするのはやめておきます)
良い意味で狂信的に研究できる人は尊敬できます。私はどんどん足取りが重くなって不安に押しつぶされてしまうので、まっすぐ真摯に向き合えるのが信じられません。

最近の愛読書は岡野原大輔氏の著作物と甘利俊一氏の著作物だと言いたいですが、、、美観(数理的面白さや哲学)は両者違うような気がしつつ理論説明の構成に面白さを感じております。。。

 

AIは新しい発見をしたが、でも何を理解したのだろうか.

AIは人間の認識能力、理解能力を超え、人間不要で科学技術を推進する世界を築くのだろうか.(略)技術的特異点などあり得ない.人間は好奇心、探求心、向上心を持つ.人と協力し、知識を共有する喜びがある.これは心の働きで、永年の進化の過程で結果として生じたものである.この心が我々を支配し、意識を生み、人間社会と文明を築いた.

甘利俊一『深層学習と統計神経力学』

 

本当に甘利先生はかっこいいですね。本著は個人的には私の知りたい知識の積み上げ方で書いていただいている(対話しているかの)ようで、全然読み切ってない(読み切るか分からない)けれど奮えながら読んでおります。
こうした著作物を読む暇があるならば、生成AIの活用術でも考えろと思われそうですが、、、

最後までお読みいただき、ありがとうございました。